南アルプスの麓でジャム作りをしているくだもの農家が
いろんなジャム作りの勉強と研究をしています。
※価格は掲載時のものです。変動している場合がありますのでご注意ください。
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ペクチンて何?
果物のペクチンとは
ペクチンは、野菜や果実、特に柑橘類に多く含まれている天然の高分子多糖類で、
かんたんにいうと食物繊維の仲間です。
細胞壁を作るセルロースがブロックだとすると、ペクチンはそれらをつなぎとめるセメントの役割を
しています。
ですから植物に含まれているペクチンは普通の状態では水に溶けない形になっています。
(プロトペクチン)
この水に溶けないペクチンは果実の成熟と共に水に溶けるペクチンに変化します。
市販されているペクチンには
通常よりより酸性の高いものを固めるのに適した、糖度55%PH3.0付近でゼリー化するHMペクチンと
糖度やphに関係なく。つまり酸を加えなくてもゼリー化するLMペクチンがあります。
牛乳を加えるだけで固まる、ハウスフルー○ェなんかはこのLMペクチンの働きを利用してます。
普通くだもののジャム作りに関係するペクチンはHMペクチンに近いですね。果物の成分として
これが多ければ、ジャムになりやすいくだものということですね。
成分中に1%くらいペクチンがあれば十分です。
ペクチンは、酸に強く(というより酸が多く含まれていないとゼリー化しないよね)
低温に強いです。
人間の消化酵素ではほとんど消化できません(だから食物繊維なんですね)
柑橘類 (レモンやみかん、ゆず)などに多く含まれるため
自分でペクチンを作るときには、これらの皮をむいた残りを使って作ることが多いです。
あとリンゴの絞りかすからもとれます。りんごのペクチンはガラクツロン酸という活性酸素を除去する多糖類が含まれているので、他のペクチンより悪玉菌を抑制する効果が高いとかいう報告がありましたが
本当にそうなのか私にはわかりませんし、りんごが赤くなると医者が青くなるのは
この成分のおかげだけであるはずはありません。
ペクチンは原料に対して、副原料の食品添加物の仲間になりますから
製造したジャムにペクチンを加えたら、それがいくら果実由来のものだからといっても
原材料に、果実名(たとえばさくらんぼ)・ペクチン・砂糖
のように記入が必要です。
逆に、ペクチンを添加物の形で補いたくなければ、レモンやリンゴを使えば堂々と
「無添加」ジャムになります。もっとも、そうなると2種類以上の果実を使っているので
表示はミックスジャムとなります。
例: ミックスジャム 原材料 果実等(さくらんぼ・レモン)・砂糖
主に使用する果実の割合が60%以上ならミックスジャムであっても主原料の名前を冠したジャムを
名乗れます
60%以下だと、 さくらんぼとレモンのジャム になると思ってください。
まあ自分で作るならあんまり気にしなくてもいいんですけどね
これが、レモン果汁になると、厳密に言えば別の果物2種類以上なので
ミックスジャムという気もしますが普通は酸味料として使用するので
ジャム 原材料 さくらんぼ・砂糖・レモン果汁
という表記になるはずです。
とはいえ、ペクチンを補うことも念頭にレモンを搾ったのを加えるのが、ミックスジャムとは
考えにくいですよね。使うレモンの量も3%以下ですしこれでもミックスジャムになるのかな?
お役所的にはミックスジャムになるんだよね
レモンペクチンの作り方は
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/nosoken/nousankako/Lemonp/Lemonp2.htm
に詳しく載ってますよね。
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【ジャム作りの歴史】
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【説明】
ジャムとは果物に糖を加え、加熱することによって果物に含まれる酸とペクチンがゼリー化したものです。果物によっては、保有するペクチンが少なかったり、酸味の弱いものがあるので、天然のペクチンや酸を加えて、バランスを整えます。
ヨーロッパでは日本の漬物のように、昔から地域の風土にあったジャムが生まれ、長い歴史を誇っています。
フランス語ではジャムのことをコンフィチュールと言いますが
日本では、
ジャム→ペクチンによってゼリー化した果実
コンフィチュール→ジャムよりやや柔らかいものや、ハーブや香辛料など
フルーツに様々な要素をミックスしたもの
という感じでしょうか
また近年の健康志向もあり、日本のジャムは西洋のものに比べ糖度が低いものが好まれるようです。
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