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南アルプスの麓でジャム作りをしているくだもの農家が
いろんなジャム作りの勉強と研究をしています。
※価格は掲載時のものです。変動している場合がありますのでご注意ください。
2006年02月15日
今日は、グリーンツーリズムの講演を行って
山梨県の農業大学校主催の、アグリビジネスフォーラムという講演のなかで、
私が、今活動しているグリーンツーリズムについて話をする機会をえました。
せっかくなのでここぞとばかり私達のジャム作りについても話をしました。
講演を終えて、そこから、参加者は会場を移動し、
私達の使っている加工場の見学を行います。
私達の加工場は、南アルプス市の所有施設ですが、ジャム製造室・漬物製造室・みそ製造室に
分かれ、ジャム製造室は、回転翼付きの蒸気がまと、蒸気滅菌設備・充填機などを備えた、ジャム製造としてはかなり贅沢な設備です。ここを、NPOが運用する事で、地域の農業者が、気軽に農産加工を委託できるということを説明し、これからの農業経営の中で、加工という事を自分の中で取り込む事が
いかに有効であるかを紹介したつもりです。
参加者が話した内容が、今の農業者の希望と、公共のお金を使って作った各地の農産加工施設の現状をよく現しています。
私達は、自分の作った作物を、加工しようとあちこちの加工施設を見て回りましたが、たいていはその地域の住民にしか解放されていなかったり、利用するには組合の加入が必要だったりします。
もちろん地域のお金を投入して作った施設ですから、地域の人に優先的に使ってもらうのが当たり前だと思います。しかし、せっかく農業者が、自分の作物を加工したいと思っても、それをできない状況をつくるのは、本末転倒ではないかとも思うのです。組合員でなければだめとか、地域外ではだめではなく、
どうしたら希望者に使ってもらえるか。または、加工したいと思う人の希望を
どうしたら、加工組合のメンバーはかなえてあげられるのかを考えられるようにするのがいいと思うんですが、まだまだこの山梨ではこういった考え方は少数だと思います。
私達のNPOでは、市の施設をお借りして、農家の生産物、いえ、農家に限らず、自分達が生産した作物を、手軽に加工する事ができるようなシステムを作っているつもりです。
いつかこの試みが、農業者だけでなく、地域の商工業者や、都市住民、また地域の食材を求める、シェフやレストランなどに橋渡しを担えるような存在になれるように、これからもがんばっていきたいな
と思ったのでした。
投稿者 axono : 00:13
2006年02月09日
ゆず茶の添加物
自分でゆず茶を作ると、他のゆず茶も気になります。
、今回はアピタさんで販売されていたゆず茶に可愛いリーフレットがついていました
そこではゆず茶の定義として
ビタミンCとクエン酸が豊富なゆずと、天然蜂蜜で作られたマーマレード状の「韓国伝統茶」
のことだそうな、お茶とはなく、からだに良い天然のものを週家訓的に飲む意味あいで”茶”と読んでいる。
ふむふむ。参考になります。
しかし
その後の記事でもしつこいくらい、ゆずにはビタミンCとクエン酸が豊富とうたっているが
だったら、原材料にクエン酸とビタミンCを添加するなよー
このゆず茶は、確かにクエン酸もビタミンCも豊富で健康にいいかもしれないけど
天然のものじゃないよね?汗汗
あと、ゲル化剤にとして、繊維素グリコール酸ナトリウムというのが使われてました
これも 合成糊料じゃないか〜 増粘剤だよね。ゲル化剤って表記でもいいのかな。増粘剤よりゲル化剤のほうがひびきはいいよね。
まあ植物の繊維質であるセルロースを水酸化ナトリウムで処理したものだからそんなに危険性の心配はないと思うけどね。こういうセルロースって、何を原料に使うのだろう。
参考→http://kenko4u.com/archives/2006/01/post_319.html
セルロースなんて植物であればなんでも含まれているのだから、というか、再生紙だってセルロースだから、うがった見方をすれば、回収された新聞紙を、化学処理すれば、この繊維素グリコール酸ナトリウムはつくれます。まあ食品添加物だから、食物滓とかを利用するんだろうけどね、知ってる人がいたら教えてください。
価格を安く抑えるためには、こういった添加物は必要なんだろうとは思うけど
いかにも天然ゆずからのビタミンCやクエン酸をとっているような錯覚を起こさせる案内は
さすが広告!ううむモノを売るってこういうことなんだなあと思ってしまう。
投稿者 axono : 00:24
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2006年01月04日
かりんをジャムにすると赤くなる
南アルプス市は、いくつかの町村が集まって合併したのだが、私の地域はもとは白根町という町になる。この白根の木が実はかりんだったりする。
かりん(花梨)の産地としては長野の諏訪地方が有名だったりするが、
諏訪周辺で栽培されているのは、かりんの仲間のマルメロであることが多い。
かりんは肌がすべすべだが、マルメロは皮に毛がついているのだ。
それはともかく、ここらへんでは秋の終わりにかけて、
かりんがまっ黄色に色づきあちこちでごろごろしている。
昔は加工用に結構な量が取引されていたようだが、
今はもったいないくらいあちこちで収穫もされずに落ちているのだ。
かりんは、咳止めやのどに効能があるとして、古くから珍重されているのにである。
我々がこんなもったいない事をほおって置けるわけが無いではないか。
おりしも、ゆず茶と同じタイプのかりんハチミツもあると聞く。
これは作らねばと、かりんを50kほど用意した。
かりんは硬い。しかも酸っぱくて苦味もあり、そのままでは使えない。
まず加工場で、かりんを洗い、紙を切る裁断機の刃をこんな感じの器械で切る
結構硬いものでもスパッと切れてしまうので怖い。
4等分くらいにして中の種をくり貫き、10k分だけはいちょう切りのように刻んでゆく
残りの40kは適当な大きさに切って、蒸気釜で煮込む。
かりんは水分が少ないので焦げないように少し水も加える。
かりんは黄色い実だし、果肉も白っぽい色なのだが、実は熱を加えると赤くなるのだ
ある程度煮込んで柔らかくなったら。少し冷まして、うらごし機にかける。
要するに、かりんをつぶしてすりおろしたペースト状にしてくれるマシンだ。
この機械のおかげで大量の果実の加工が少ない人数でも何とかできる。
こうしてピューレ状になったかりんに北海道産のビートグラニュー糖を加え煮込んでゆく
ある程度煮詰まった頃合を見て、あらかじめいちょう切りにしたかりんのスライスを加え
またひと煮立ちさせる。
やはりかりんの形が少しは残っていないとお湯で薄めて飲むときも
何だかわからないものね。
ある程度硬めに煮詰めたところで火を止め、蜂蜜を加える。今回も国内産の百花蜜だ。
今回は、ゆずハチミツと合わせる為、同じサイズの280ml瓶に充填。
ゆずハチミツの黄色と、今回のかりんハチミツの赤で綺麗に出来たと思う。
お湯に溶かして飲むと、かりん独特のざらざら感と、特徴のある酸味が美味しい
ちょっとのどが痛んだなと思う時や、咳が止まらないときにオススメ。
もっと沢山作れると、農家にとってもありがたいんだけどね。
ちなみにかりんは農薬なんてかけなくても取れるので、基本的に農薬なんて使いません。
お金にもならないものに手間もお金もかけないですから。
だから、どんどん切られていくんだけどね
丈夫なので庭木に植えても楽しめますよ。
ちなみに、スライスして少し煮立て、あくをとったかりんを消毒した瓶に詰めて、
そのままハチミツを注いで蓋を閉め、煮沸消毒すればかりんのはちみつ漬けができます
こちらは赤くなりません。
投稿者 axono : 22:17
2005年12月30日
ゆず茶ってジャムなの?
ファームフィールドトリップでは、今回韓国発で、はやりのゆず茶とやらを、「国産」で作ってほしい!という特産品開発の依頼を受け、ホームセンターで売られているゆず茶とやらを参考に、作ってみました。
で、ゆず茶とゆずマーマーレード、ゆずハチミツ漬けとの違いとは如何に?
まず原材料が、色々使ってある。特に、セルロースが入ってるのに注目。これで、増量してるのかな?
あと、ゆず茶の場合、ゆずのはちみつ漬けとは違い、砂糖も加えてあります。
マーマレードだと 材料 ゆず 砂糖 (酸味料としてクエン酸とか ペクチンは多いので普通添加しない、かなり硬めに仕上がる)
ゆずハチミツ漬けだと 材料 ゆず はちみつ(ゆずを生か、お湯で煮て苦味を薄めて、ハチミツを加える。酵素の働きが変わるので、基本的に加熱はしないかなりとろとろ)
ゆず茶
製造案1
ゆずのエキスにセルロースと糖を加え酸味料を加えたジャム状のものにゆずのはちみつ漬けを加える
この場合ゼリー化したゆずジャムにゆずハチミツ漬けを合体。ゆずの生の風味と、ハチミツの風味は生きると思う。ゆずジャムの硬さで、製品全体のとろみ具合は調整可能
製造案2
ゆずのマーマレードをつくり、それにハチミツを加える。
この場合、ゆずは加熱されるので生の風味は殺される、ハチミツの風味は生きるはず
とろみ具合は、ハチミツの量で調整するか、酸味料でペクチンのジャム化を促し調整
とまあ大きく2つに分けられる
1 はちみつ漬けに、ジャムを加えるか
2 ジャムにハチミツを加えるかのちがいだよね
風味的には 1だと思うが、加えるジャムがいかにもまがい物っぽい
われわれとしては、ジャム作りをしてるので2だよな
ということで、この線で作ってみることにする
ゆずは、メンバーの市川農園の庭先でほったらかしにしてある。ほったらかし無農薬ゆず
肥料もやってないから、きちんと認証をとれば、有機栽培のゆずということになるな
でもまあそういうことの為につくってるのではないので「ほったらかしゆず」が原料
砂糖は、北海道のビートグラニュー糖をつかう。
ビートは砂糖大根、カブみたいだけどほうれん草の仲間に近い
ビート糖を使うメリットは、国産であることと、極陰の体を冷やす糖類にあって、寒いところで取れるしかも根っこで育つ糖なので、まあ陽に近い糖だからだろうか、
でも、マクロビオティク的な見地から言っても、精製してるんだから、けっしてほめられるもんではないよね
まあ果物自体が、陰性の食べ物なんだから、体を暖めるなんていえるかどうか
でも気休めでも
冬に身をつけるゆずで、寒いところで地中に実をつけるビート糖を使うことで少しでも冬の食べ物らしくしたいのだ。
あとハチミツは国産蜂蜜。本当は南アルプス産の蜂蜜が良かったのだが、今回は量も確保できないし、価格も折り合わないので、国産百花蜜を使用。
瓶の大きさは、お湯で溶かして飲むスタイルから、いつもの140mlのジャム瓶ではあっという間に終わってしまうので、倍の280mlのサイズ瓶にする。
これで、価格的には、350g〜500gサイズの韓国産ゆず茶と大体同程度か少し安いくらいの
価格設定で販売できるようにコスト計算。
まあNPO価格だからなんとかなるんじゃないといういつものようなおおまかなどんぶり勘定
赤字にはならないように気をつけて製造開始することにしたのだった。
投稿者 axono : 01:32